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ヒロインピンチ(NL)

 サナが正義のヒーローとして戦い始めてかれこれ一年。ただしくは、ヒロインか。とにかく、これまでにないほどの危機的状況に追い込まれていた。

「さて、サナ。憎きサナ。あなたを正義のスーパーヒロインに変えた研究所の場所を吐いてもらいましょうか」

「わざわざ私から聞き出さなくても、スマホで検索してみればわかるんじゃない?」

 柱に縛り付けられながらもサナは気丈にふるまう。

「……。そっちがそのつもりならこちらにも考えがあります」

 そういうと、悪の組織の幹部は小瓶を取り出した。

「なにそれ? 栄養剤? ありがたいわー。今ちょうど疲れててさー」

「これは媚薬ですよ。私が作ったもののなかで最高傑作です。飲む必要もありません。肌に一滴たらすだけで……」

「や、やめろよ! 近づくな、この変態!!」

 幹部はにやりと笑ってサナの肌に小瓶の中の液体を垂らした。

「や、やだ!!」

 サナは身をよじって抵抗するが、皮膚に紫色の液体を容赦なく垂らされる。

「おやおや、一滴のつもりが手が滑って、全部垂らしてしまいました」

「なにが手が滑って、だよ……クソ……っ!!」

「どうしたんですか、珍しく言葉遣いが悪いですね。いつもみたいな余裕を見せてくださいよ」

「……っ!!!」

 サナの体は薬のせいですっかり火照り、自身を縛り付けている縄にすら快感を覚えるようになっていた。

「どうしました? 顔が赤いですよ。おやおや、汗もそんなにかいて。可哀想に、汗をぬぐって差し上げましょう」

 そういって幹部はハンカチを取り出すと、サナの顔の汗を優しくふき取った。そして、首にハンカチがあたった瞬間、サナの体が跳ねた。

「ああっ!!!」

「おや? どうしました?」

「触んな……っ私に、触るな!」

「ええ? 本当に? 素直になればいいのに」

 そう言いながら幹部はサナの太腿を撫でた。

「あぁ……あっん……」

「研究所の場所を言えば、もっと気持ちよくしてあげますよ」

「それは……だめっ……それだけは……」

「うーん、じゃあ、キスしてくれたら気持ちよくしてあげます」

 そういうと、幹部はサナの縄を切った。サナは、立ち上がろうとしたものの足腰にうまく力が入らず、軽く尻もちをついた。

「逃げようとしたって無駄ですよ。うまく体が動かせないでしょう? さっきのだけでイっちゃってるんじゃないですか?」

「ちがう……キスしようと……」

 幹部が嬉しそうにほほ笑んだ。サナを支えるように抱きしめると、頬にキスをした。それだけで鳥肌が立つほどの快感だ。

「とんだ淫乱なんですね。正義のヒロインのくせに」

「うるさい……」

 サナはそっと幹部の唇に自分の唇を重ねた。短いキスだったが、幹部は満足そうに微笑む。

「正義のヒロインが悪の幹部に自分からキスですか。最高ですね。あなたを応援する人たちに見せてあげたい。研究所の皆さんはどう思うでしょうか……。鳩が豆鉄砲食らったような顔を見せてくれますかね? ねえ?」

「う、うるっさい。約束を守って……」

「約束? なんでしたっけ?」

「気持ちよくするって……言ったでしょう?」

「そうでしたっけ? さてと、私これから用事があるんですよね。それではまた会いましょう、サナ」

 そういうと幹部は立ち上がり、去っていった。完全に幹部の姿が見えなくなると、サナは唇をかんだ。

「最低野郎……」

 二度と悪の組織の人間の言う事は聞くまいとサナは心に誓うのだった。

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 サナは、まだ立つこともできずにいた。ショーツがすっかりびしょ濡れなのが、触らずともわかる。ヒロインスーツにもサナの愛液がべったりとついてしまっているに違いない。サナは連絡用の携帯に手を伸ばした。あと少しで手が届く……。

「くっ……あの野郎、こんな遠くに置きやがって……」

 手が届きそうで届かないのがもどかしい。それでもなんとか取ろうと手を伸ばす。……が、サナは手を伸ばすのをやめた。もし連絡用の携帯をとることができたとして、助けを呼べたとしても、こんな醜態を研究所の職員に晒すことになるのだ。愛液を大量に流し頬を赤らめ、すっかり発情してしまっているこんな姿を……。

「この興奮をおさめなくちゃ……」

 サナは、自分の胸をスーツの上から揉んだ。

「あっ……」

 それだけで甘い声が漏れる。いつも一人でしているときとは比にならないほどの快感だ。いつもは濡らすために胸を愛撫するが、今はもう……。

「なんでこんなに気持ちいいの……下、触ったら……」

 サナはドキドキしながらショーツの上から秘所をそっと撫でた。

「ううっ!!」

 びしょ濡れのショーツ越しでも肉芽がかたくなっているのがわかる。肉芽を撫でるだけで絶頂を迎えてしまいそうだ。

 サナはショーツをおろした。直に肉芽を触りたい、蜜壺に指を入れたい……。サナは下の毛をすべて剃っている。スーツから見えてはいけないと、研究所から強く言われているためである。ファンに見られて写真を撮られては困るのだと言う。

 サナは中指を蜜壺に挿し込んだ。愛液であふれたそこは異物をすんなりと受け入れる。

 くちゅ、ちゅぷ……と卑猥な音が誰もいない廃墟に響く。

「あっ……ああっ……す、すごい……ああ……」

 カシャッ……。

「え……?」

 今のは間違いなくカメラのシャッター音だ。スマホか携帯かデジカメか……とにかく、シャッター音だ。サナは慌ててショーツを穿こうとする。

「おや、穿いちゃうんですか? 私にかまわず続けてくださいよ」

「何しに戻ったの、この変態野郎! 写真撮ったのあんた? 消しなさい!」

「写真ですか? 消してもいいですけど。あそことあそこ、隠しカメラあるのは気が付いてます?」

 サナは血の気が引いていくのを感じた。今までのを写真やビデオに収められていたとなると、サナはもう終わりだ。スーパーヒロインとしてだけではない。一人の人間として終わりじゃないか。

「はは、最悪……」

「どうしたんですか? オナニーやめちゃうんですか?」

「もうそんな気分になれるわけないじゃん。最悪。ほんと最悪……。正義のヒロインになんかならなきゃよかった」

「……。安心してください。私公表したりしませんよ。どうしてあなたのあんな可愛い姿を他のやつに見せてやらなきゃいけないんですか? 私だけのものとして保管して、おかずにする、それだけです。だから安心してください」

「それもそれで安心できないんだけど……」

「どうしてですか!?」

「はあ……。あんたは結局どうしたいわけ? そのビデオを公表するぞとか言って脅して、私から研究所の場所を聞くのが普通じゃないの?」

「うーん。私は公表したくありません。研究所の場所も上が探れってうるさいだけで私は別にそこまで興味ありません」

「もっとまじめに働きなよ、悪の組織として」

「それはまたの機会に」

 幹部は嬉しそうにほほ笑むと、サナが穿きかけていたショーツを奪い取った。

「ぐっしょりですね。たまりません」

 そういうと、サナのショーツを保存用の特殊なケースにしまう。

「ちょっと! パンツ返して」

「嫌です。あ。代わりに私のパンツを差し上げましょうか?」

「いらないわよ、絶対」

 幹部はにやにやしながらサナに近寄る。サナの脚を無理やり開かせるとその間に入り込んだ。

「前戯が長い男はモテるらしいですが、今はむしろ省いた方がモテるような気がします」

「はあ? 何言って……」

 幹部は反り勃った肉棒を取り出すと、サナの秘所にあてがった。

「ば、ばかやめ……ゴムつけてよ! それにそんな大きいのは……」

「いれるなとは言わないんですね」

 幹部はそのままぐいっと肉棒を押し込んだ。潤った蜜壺に肉棒がするりと入り込む。

「あっ、ああ……っ!! おおき、いっ!」

「ずっとこうしたいって思ってました……ずっと……」

 ぱんぱんという肉と肉がぶつかる音が廃墟に響き渡る。

「あんまり締めないでください。すぐ……イってしまいます」

「締めてない……ああっ! あん、ん……」

「じゃあ、イくたびに勝手に締まっちゃってるだけですね、淫乱ヒロインサナさん」

「んんんあああっ!!! く、ああ……あっ、あっあぅ……う、ぁ……」

 幹部は一心不乱にサナを突き上げた。何度も何度も。そのたびにサナは軽い絶頂に至る。すぐ果てそうだと言っていた割に幹部はなかなか果てず、サナを犯し続ける。

「気持ちいいですね。ずっと、こうしていたい……そう思いません?」

「あっ! あ、ふ……んん、ああああっ!! あっ! あん……」

「大丈夫ですか? 私の言ってること、わかります?」

 幹部が何を言っても、サナは嬌声をあげるだけで会話は成り立たない。

「中に出しますよ~? いいですか?」

「あっ! あんっ、だして! 私の中にたっぷり……あああっ!!」

「今日安全日ですもんね。じゃ、遠慮なく」

 サナはなぜそれを知っているのか幹部に問おうとしたが、もう言葉はすべて喘ぎ声にしかならない。

 一番深く突き上げられた瞬間、熱いものが注がれるのを感じた。

「あ……、ごめんなさい、すごくいっぱい……まだ出てますね。あなたの姿を見ながら今日二回抜いたんですけど、ダメでしたね。もし、妊娠したら責任を取って結婚して正義の味方になってあげますよ。その時はよろしくお願いしますね」

 遠のく意識の中で幹部が耳元で「ずっとあなたのことが好きでした」というのをサナはたしかに聞いた。