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あなたから聞いた話(NL/無理やり)

 これは去年の年明けごろにサナさんから聞いた話をもとに書きました。

 この話を公開することについて、非常に悩みました。ですが、SNSでサナさんが「また■■へ行く」と投稿しているのを見て、居ても立っても居られなくなりました。私はすぐにサナさんに連絡を取ろうとしましたが、駄目でした。メッセージには既読がつきませんし、電話にもでません。

 去年、■■から帰ってきたばかりの彼女は酷く怯えていて、「二度とあそこには行かない」と言っていたのです。それがどうしたことでしょうか。夏頃になると、彼女は■■で起こったことを忘れてしまっているようでした。私は心配でした。ですが、私にできることは何もありませんでした。その時は。

 この話を公開することで、サナさんの目に留まり、彼女がすべてを思い出し、■■へ行くことを思いとどまってくれればと思います。

 年末ごろ、サナはショッピングモールの福引きで■■への温泉旅行を引き当てた。ハッピを着た男がハンドベルを振り鳴らす中、サナは純粋に喜んでいた。■■などという場所は、正直聞いたことがなかった。家に帰ってから調べてみると、それはZ県にある観光地だということがわかった。アクセスが悪いせいで穴場スポットになっているらしかった。

「旅行なんて久しぶり」

 パソコンで■■を調べながら、サナは呟いた。

 旅行当日、サナはZ県の中心地から離れた■■の山道を大きなキャリーケースを引きずりながら歩いていた。

「はぁ……はぁ……」

 結構な山道だ。運動不足のせいか、息が上がる。福引であたった旅館は■■でも有名らしいのだが、■■自体が駅から離れている。側にバス停もなく、タクシーの運転手には「あそこはサービスの範囲外だから、行けない」と断られてしまった。仕方がないので、一番近くのバス停から――といっても、徒歩30分は離れているが――■■まで歩くことにした。

 しばらく歩いたころ、サナは背中に視線を感じた。嫌な視線だ。気になって振り返ったが、そこには誰もおらず、サナの歩いてきた閑散とした山道があるだけだった。こんな場所だ。そもそも、サナ以外の誰かがいるとは思えなかった。山道は舗装こそされているものの、細く、乗用車一台がやっと通ることのできるような道だ。ここに来るまで車一台見かけていない。

 気のせいかと思い直し、再び歩き始めたところで、再びはっきりと視線を感じた。熟れすぎた桃のようにねっとりとした視線だった。振り返ろうか悩んでいると、向こうから着物を着た女が歩いてくるのが見えた。

「ウルシマさまですか? わたくし、■■旅館の女将です。こちらの不手際で、お迎えの案内ができていなかったと聞きまして」

 女将が言うには、■■は不便なところにあるため、本来、駅まで迎えの車を出してくれるのだという。いつの間にか、先程までの視線を感じなくなっていた。

「この度は誠に申し訳ありません」

「いえいえ、大丈夫です」

 女将と二人、5分ほど山道を歩くと、旅館に着いた。パンフレットやサイトの写真よりも立派な建物だった。

「わあ、すごいですね」

「ありがとうございます。ですが、古い建物ですから、暖房の利きは悪いんです。ですので、温泉にゆっくり浸かって温まってください」

 チェックインを済ませると、そのまま女将が部屋へ案内してくれた。キャリーケースを持った女将が「こちらに置かせていただきます」と部屋の入り口にそれを下ろした。

「大浴場は、お部屋を右に出て、突き当たりを左に行った場所にございます。大浴場にはタオルと浴衣のご用意がございます。貴重品ロッカーもございますので、ぜひご利用ください」

「ありがとうございます」

「ご夕食は20時を希望されていたかと存じますが、変更はございますか」

「ありません」

「では、19時50分ごろにお部屋にお食事の用意に参ります。何かございましたら、そちらの電話からご連絡ください。失礼いたします」

 女将はペコリと頭を下げてから部屋を出ていった。

 一人になったサナは、部屋を見渡してみた。ガラス細工や焼き物などが飾られている。どれも高そうだ。畳の匂いがなんだか落ち着く。サナは立ち上がると、窓際に立った。紅葉の季節もとっくに終わり、山の木々はすっかり葉を落としている。

「雪が降ったら、綺麗なんだろうなぁ」

 サナはぶるっと体を震わせた。窓の側は冷える。

「そうだ、温泉!」

 サナは窓の側を離れ、大浴場へ行く支度を始めた。窓の外で、髪の長い、着物を着た男が彼女を見つめていることに気が付かずに。

 サナは早速大浴場へ向かった。ロッカーに貴重品を入れ、衣服を脱ぐと、浴場へ出た。湯気が上がり、視界がやや白く曇る。想像していたよりも大きく立派な大浴場だった。他に人はおらず、貸し切り状態だ。そう言えば、旅館についてから、客どころか女将以外の人間を見ていない。閑散期な上にこの立地の悪さだ。そんなものなのかもしれない。

 サナは体を洗うと、内湯に入り体を温めた。さすが温泉だ。体の芯からポカポカしてくる。湯はとろりとしていて、肌に潤いを与えてくれるような気がした。内湯にしばらく浸かり、体が温まると露天風呂へ向かった。ガラス製の引き戸を開けると、内湯に負けないほど立派な石造りの露天風呂が待っていた。湯は少し熱めだ。冷たい外気が気持ちいい。

 しかし、そこで再び例の視線を感じた。あたりを見回すと、松の木の下に男が立っているのが見えた。長い黒い髪に、着物姿の不気味な男。サナは叫ぼうとしたが、声が出ない。

 男が、ゆっくりと近づいてくる。逃げたい。この変質者から逃れたい。叫んで、誰かに助けを呼びたい。そう思うのに、体はちっとも言うことを聞いてくれない。いつの間にか男は目の前まで来ていて、そのままサナの唇を強引に奪った。荒々しく舌が絡みついてくる。口なんて開けたくない。こんな男の舌なんて噛みちぎってやりたい。そう思うのに、体はサナの意志とは裏腹に、男を受け入れる。歯列を舌でなぞられると、気持ちが悪くて仕方がないのに、背筋がぞくりとする。頭がぼうっとして、男の次の行動を期待してしまう。男はサナの首に手を回して、逃げられないようにさらに深く口付ける。熱い舌、唾液が混ざり合う。

 男はサナの胸をゆっくりと揉みしだいていく。その弾力を楽しんでいるかのように。サナは小さく呻いた。この場から逃げ出したい。その気持ちは消えては居ない。それなのに、男を受け入れてしまう。わけがわからなかった。

 胸をもみ続けられ、段々と先端が固くなっていく。男はゆっくりとそちらへ手をずらす。優しく摘まれば、サナは切なげな喘ぎ声を漏らした。サナはゆっくりと立ち上がると、大きな石の上に腰掛けた。

「ください……」

 自分の言葉、行動が信じられなかった。自分ではない何者かに、体を操られているかのようだった。石の上で大きく足を開く。見ず知らずの男に向けて。普段の自分は、こんなことをするような人間ではない。男の方も、サナの行動を不思議がることもない。

 男はゆっくりとサナに近づき、開かれた足の間……真っ赤に充血した突起物に舌で触れる。

「ん……はぁ……はっ、んっ、はぁ……」

 男はトカゲのように舌をちろちろと動かす。女の体のことをよく知っているようだった。男の舌で肉芽を撫でられるたびに、サナは熱い吐息を漏らす。蜜壺からはだらだらと愛液がこぼれ出ており、濡れた石が鈍い光を放つ。

「はぅ、んっ……もっと……はっ、……っん」

 サナは、男の頭を掴み自らの股に押し付けた。彼は抵抗することはなく、それに応えるように舌の動きを早める。

「ん、ああっイクッ……ん、イクッ……あん……ぁああっ!」

 サナは絶頂を迎え、男の顔に潮を吹きかけた。びくびくと体を震わせるサナ。そんな彼女の蜜壺の入り口に肉棒を押し当てた。

 ずぶっと熱いそれが、勢いよく押し入ってくる。すっかり愛液で満たされていたそこは、巨大なそれをすんなり受け入れる。挿れられただけで、軽い絶頂。そのまま激しいピストンが始められた。

「ん~~! ん、ああっん、あっ、あん……っん、はぅ、っん、ふ、ぁあああ……あーーーーっ!」

 サナはとろんとした表情を浮かべながら、だらしなく舌を垂らしながら、快感の波に飲まれていく。この男は誰なのか。こんなところでこんなこと……行為の最中に何度も正気に戻ったが、快感によって再び正常な思考を奪われる。

 何度も何度も最奥を突き上げられる。肉と肉がぶつかり合う、ぱんぱんといった卑猥な音が響く。こんなに激しくしていたら、誰か来てしまう。心配で仕方がないのに、肉棒の先端が蜜壺の最奥に吸い付くように触れるたび、もっともっと欲しくて仕方がなくなる。

「イクッ……あーーーーっ! あっ、ああ゛っ……ん゛っ……はっ」

 何度絶頂しても離してはくれないこの男。一体何者なのか。気になるが、快感のせいでうまく考えられない。

「……ッ」

 男が小さなうめき声を漏らしたかと思うと、一瞬肉棒がぶるっと震えた。熱く、濃厚な精液が子宮にぶちまけられた。

「ん……お、ん……は……はぁっ……っん」

 まだどくどくと、たっぷり注がれているのがわかる。下腹部が熱い。頭は真っ白で、視界は若干ぼやけている。気持ちが良すぎて涙が出てしまったらしい。しかし、終わってしまった。まだ欲しかったのに。

 そんなことを考えていると、男は再び動き出した。

「あん……ふ、はぁ……はっ、あん、はっ」

 何度も絶頂した体はすっかり敏感になっていて、何もかも快感に感じられた。胸にあたる男の髪も、腰を掴んでいる手すらもサナを刺激しているかのようだった。蜜壺の中を肉棒でかき回され、おかしくなってしまいそうだ。結合部からは、泡立った白濁とした液が漏れ出ている。

「はぁっ……イクイク……ん゛っ……んん……ん、ああ゛っ……」

 サナは男を強く抱きしめながら絶頂した。体がビクビクしている。足の付け根も痺れたかのように、感覚がない。

「は……あ゛っ! ん、ぁあああ……あっ、ん」

 サナが何度絶頂しようと、男は動きを止めなかった。男の激しいピストンは、小一時間ほど続き、サナの中に二回目の熱い液を注ぎ込むと、ようやく止まった。肉棒が引き抜かれると、蜜壺の口はぽっかりと開いたまま、奥からとめどなく白濁とした液体を吐き出した。

 サナが我に返る頃、男の姿はどこにもなかった。サナはすぐに、例の男について女将に報告したが、彼女は警察に電話をするでもなく、ただにっこりと笑って「あなた、選ばれたのね」と言った。それが恐ろしくて恐ろしくてたまらなかった。何に選ばれたというのだろう。あの男は何だったのか。女将は何を知っているのだろう。

 そして、サナさんは、私に泣きながら電話をしてきたのです。私はすぐに、車で彼女を迎えに行きました。彼女は震えていて、妙な香りがしました。今思うと、あれは梅の花のにおいだったかもしれません。例の女将とも少し話しましたが、彼女は「ウルシマ様の様子が突然おかしくなった」のだと主張しました。

 サナさんの話は断片的で、プライバシーの保護の観点からも、物語にするうえで、私がある程度手をいれる必要がありました。けれど、大部分は、彼女が話した通りの内容です。こんなことがあったのに、彼女はどうして再び■■に……あの旅館に行くことにしたのでしょうか。