サナは、後輩の赤鬼・キョウと飲み屋で一杯やっていた。
「ウルシマ先輩、気にしちゃ駄目っすよ。誰にでも失敗はありますから」
キョウはそう言って、サナの背中をぽんぽんと軽く――少なくとも本人はそのつもりで――叩いた。
「痛いよ!!! 私は人間なんだよ、ちゃんと考えて!」
「あ、ああ……自分ってばまた……すみません、骨、折れちまいましたか?」
「そんな簡単に折れてたまるか!」
キョウはオロオロしている。働き手不足を補うため、政府が妖怪の雇用を認めるようになったのは十年前のこと。はるか昔から存在していたらしい妖怪たちは、これまで、人間とは別の空間で生活していた。人口が減少し、不況が続いていたこの国は、存在すら認めてこなかった彼らとともに生きていく道を選んだ。
はじめこそ、混乱や差別めいたことがあったものの、十年経った今となっては、妖怪のいる生活がスタンダードになっている。
「さぁ、今日は飲むぞ!! キョウ、私の奢りなんだから、遠慮するなよっ」
キョウは「いいんすか! やった」と言って、グラスに残る酒をぐいっと飲み干した。
◆ ◆ ◆
鬼であるキョウは大酒のみで、彼にペースを狂わされたサナはすっかり酔っ払ってしまった。サナはふらふらしながら飲み屋を出た。よろよろと壁に突っ込みそうになったり、地面に倒れ込みそうになったりしている。筋骨隆々で、サナの1.5倍近くの身長があるキョウは彼女を軽々と横抱きにすると、「ウルシマ先輩、大丈夫ですか……タクシー呼びますね」と言った。
「だめーーーーッ!」
完全に酔っ払っているサナはそう叫ぶと、ゲラゲラ笑った。
「み、耳が……ウルシマ先輩、でも電車で帰るのは無理でしょ。タクシー呼ばなきゃ」
「キョウ、先輩命令だっ! お前の家に連れて行け!」
「は、はぁっ? そ、そんなの駄目でしょ。何いってんすか……って、寝てるし」
腕の中ですやすやと眠るサナを見て、キョウはため息を吐いた。
◆ ◆ ◆
これはけして重大なコンプライアンス違反ではない。業務時間外のことだし、サナが酔いつぶれて眠っている状態では彼女の家へ送ることもできなかったのだし。何もかも仕方のないことで、自分はか弱い人間の女性をどうこうしようと、家に連れ込んだわけではない。ベッドで眠るサナをじっと見ながら、キョウは何度もそう自分に言い聞かせた。
「それにしても……」
人間とはどうしてこんなに小さいのだろう。鬼用のシングルベッドが、随分大きく見える。サナが「うーん」と言って、自分の背中を擦った。飲み屋で軽く叩いただけで、サナがすごく痛がっていたこと思い出す。もしかして、腫れてしまったのだろうか。骨は折れていないと言っていたが……。誤解されてしまうかもしれないが、自分のせいで怪我をしたかもしれない彼女を放ってはおけない。キョウは彼女をうつ伏せにすると、シャツをめくり、背中を確認した。少しだけ、赤くなっている。
「……えっち」
サナがぼそりと呟いた。
「な……これは……怪我したんじゃないかと思って……それで……っていうか、起きたのなら、帰ってください! タクシー呼びますから!」
狼狽えるキョウは飛び跳ねるようにサナから距離をとった。サナはニヤニヤしながら身体を起こすと、とんでもないことを言い出した。
「ねえ、鬼のアレって、すっごく大きいって聞いたんだけど、本当?」
「セセセセッセセクハラですよ!」
「今はプライベートの時間だからいいじゃん。ね、教えてよ。てか、見せてくれない?」
「無理ですよっ! そんな恥ずかしいことできるわけないじゃないですか! ……ちょっと! 何やってるんですかっ!」
サナはキョウのズボンに無理やり手を突っ込んだ。手探りでそれに触れた瞬間、彼女は目を輝かせた。
「待って……こんな大きいの……?」
「さ、触らないで……ください……」
「じゃあ、見るだけ! ね! それならいいでしょ!」
キョウは渋々ズボンを下ろし、自分のものを取り出した。だらんと垂れ下がったそれは、シルエットこそ人間のものによく似ているが、ずっと大きい。よく見ると、人間にはない突起が竿をぐるりと囲んでいる。サナは熱心にキョウの肉棒を観察する。
「本当に大きい……すごぉい」
「も、もういいでしょう。十分見ましたよねっ」
「だめ、もうちょっとだけ……」
その時、垂れ下がっていた肉棒がぴくんと動いた。徐々に硬さを帯び、上向きになっていく。それはやがて完全に膨張すると、太い血管がくっきりと浮き出てきた。黒ぐろとしていて、かえしの部分は鋭く尖ってさえ見えた。
「ウルシマ先輩のせいですよ! あんまり見るから……」
「ごめんね、じゃあ責任を持って……」
「ちょっと、やめてください……」
サナは巨大なそれを両手で包み込むと、擦り合わせたり、指先に力を込めたりしてみた。キョウは身体をピクピクと震わせながら、喘いでいる。
「どう? 気持ちいい?」
「そ、それは……気持ちいいですけど……もうちょっと強くしてください」
サナは微笑むと、キョウの希望通り、手の力を強めた。キョウの呼吸が少しずつ荒くなる。彼の先端から漏れ出る液体は、わずかに白っぽい。限界が近そうだ。サナは手の動きを速めた。
「イクッ……」
キョウの肉棒がびくんと跳ねたかと思うと、先端から大量の白濁とした液体が噴き出した。サナがそれをもろに被ったため、ベッドは無事だった。
「す、すみません……ぶっかけちゃいましたね。でも、ウルシマ先輩が悪いっすよ。そんな風に触るから……シャワー使いますか?」
サナはキョウにシャワーを借りた。体液を洗い流し、バスルームをあとにする。キョウの寝室へ行くと、彼はベッドに座り、一人でしているところだった。
◆ ◆ ◆
「大丈夫……? まだムラムラする?」
「わ、ウルシマ先輩……ええ、まあ……でも、自分で何とかできますから。リビングでくつろいでいてください」
心配だ。心の底から心配だ。けして、あれを挿れてほしいとか、そんな不純な理由ではない。これは、可愛い後輩を苦しみから解放するためであって、自分の快楽のためではない。自分にそう言い聞かせると、サナはキョウのすぐそばに腰を下ろし、彼にくちづけた。
「手伝わせて……」
「ウルシマ先輩……や、やりたいだけですよね、鬼と……」
「違うから!」
そう言うと、サナはキョウをベッドに押し倒した。先程シャワーを浴びたばかりなのに、サナの秘所はすでに濡れている。鬼の肉棒を味わえる。そう思っただけで、下腹部が切なくなる。この機会を逃したら、鬼の肉棒なんて二度と拝めない可能性さえある。
サナは、キョウの怒張したそれの先端に秘所をあてた。そして、そのままゆっくりと腰を下ろす。巨大な肉棒が身体の中に、入っていく。
「ぁああッ、すっごッ、大きい……ッ、あああッ」
「無理しないでくださいよ、ウルシマ先輩……」
骨盤が無理やり押し広げられているような気がした。それほどまでに、太く、硬い。幸い無いことに、痛みはない。
「はぁ……、動く、ね……」
サナはゆっくりと腰を振り始めた。蜜壺の最も深いところ……いや、それ以上の場所を貫かれている。膣は限界まで押し広げられながらも、肉棒に吸い付く。わずかな動きでも、快感が生じる。だから、ゆっくり……そう思っていたのだが、焦れったくなったらしいキョウが、下から激しく突き始めた。
「ああああッ、だ、だめっ」
「だめじゃないでしょうっ、挿れたのはウルシマ先輩ですよ……はぁっ」
サナの身体が小刻みに震え、そのままキョウの方へ倒れ込んだ。二人は汗ばんだ身体を密着させながら、唇を重ねた。舌を絡ませながら、互いに腰を動かす。何度も突き上げられ、サナはすっかり快感に飲み込まれてしまった。キョウが小さく呻くと、熱いものが内側に吐き出されるのを感じた。サナの身体の中は、キョウの肉棒で満たされていて、もうどこにもスペースがない。サナの腹部を膨らませ、それでも収まりきらない分は結合部から溢れ出た。
◆ ◆ ◆
次の日はふたりとも休日で、キョウがベッドから起き上がったのは昼過ぎのことだった。
「おはようございます、ウルシマ先輩……何か、食べますか?」
「うーん……いらない。何か、すごく腰が痛い……」
サナはまだ起き上がれそうにない。裸のままの彼女が寝返りをうつと、腹部に力が入ったのか、秘所から精液がどぷっと出てきた。それを見たキョウは舌なめずりをした。昨晩のことが思い出される。
「じゃあ、しましょうか」
サナは「うん……」と微笑んだ。