ななし様のリクエスト作品です。リクエストありがとうございました!
皇帝には、正妃の他に、十四人もの側室がいる。まさか、自分が十五人目に選ばれようとは、夢にも思わなかった。形式的な儀式を終えても、球状の小さな桃色の花に囲まれた離宮で暮らすようになっても、実感が湧かなかった。
遠目でしか見たことのない皇帝が離宮へサナを訪ねてやってきたとき、初めてこの男の側室になったのだと思った。
静かな寝所で口づけを交わす。柔らかな唇に触れられるたび、妙な気持ちになった。くすぐったいような、嬉しいような、未知の感覚。その感覚に溺れてしまえればよかったのに。けれど、自分の触れ方に未熟さが現れているかもしれない、他の女性と比べられたとき自分は……様々な不安がサナの胸を満たしていた。
それを察してか、皇帝は静かに微笑んで「今日はやめておこうか?」と優しく囁いてくれた。
ちょうど、このまま続ければ、自分自身の羞恥心で焼き殺されてしまうのではないかと考えていたところだった。だから、皇帝の言葉に甘えてしまいたかった。けれど、ここでやめてしまったら、次はいつになるのだろう。皇帝は忙しい。側室もたくさんいる。そんな中、次、気まぐれに自分のところへ休みに来てくれるのは、一体いつになるのだろう。
「大丈夫ですから」
サナは頬を苺のように赤く染めたまま、そう言って微笑んだ。皇帝はゆっくりとサナを押し倒す。そのまま、彼は慣れた手つきで、優しく胸を揉む。
これまで、何人の女性を抱いてきたのだろう。
(自分が、この人の特別になることは……一生ないんだろうな。でも、今だけは……)
皇帝の頭を撫でるように髪を手で梳く。多くの女性が羨むであろう、柔らかで艶のある髪。穏やかな手つきで衣服を脱がされていき、鎖骨のあたりを強く吸われる。
(……抱いた女、全員にやってるんだろうな……これ)
唇が肌から離されると、肌をちくりと刺すような痛みと、赤い痕が残った。皇帝はサナの胸の先端を指で弾きながら、「やめたくなったら、いつでも言ってくれ」と微笑む。
(この男……)
どうせ、やめてくれとは言えない。それをすっかり見透かされている。
「私は……キミと仲良くしたいと思っているからね」
そう言って、サナの胸の先端をぺろりと舐めた。水気を含んだ下着が重い。
「欲しいって顔をしているね」
下着が少しずらされ、異物がサナの身体の中へ侵入してくる。誰にも許したことのない柔らかな肉の内側を、ゆっくりと、けれど切り裂くかのように沈められていく。鋭い痛みに、サナは顔をひきつらせた。
「……やめる?」
皇帝の問いかけに、サナは首を横に振った。
「大丈夫、ですから……」
皇帝はサナの額に軽くキスをすると、ゆっくりと腰を動かし始めた。彼が動くたび、傷口を擦られるかのような痛みが走り、サナの目尻が濡れる。しかし、段々と蜜壺が馴染んでくると、痛みは消え去り、代わりに甘い痺れが走るようになった。サナの唇から、抑えきれない桃色の小さな悲鳴が上がる。もっと深く、もっと何度も……皇帝を求め、サナは彼にしがみつくようにして、静かに達する。その様を見た皇帝は、穿つ速度を上げる。そして、限界が来ると、低く唸ったあと、サナの中を白濁とした欲望で満たした。
◆ ◆ ◆
数か月後、サナは懐妊した。通常の妊婦よりも大きなお腹を見て、周囲は双子かもしれぬと喜んだ。
出産は10時間にも及んだ。その間、仲の良い女中がずっとそばに居てくれた。産まれてきたのは、三つ子だった。皇帝の第8子から第10子にあたる。
ようやく出産が終わったとき、吐いた溜め息も、掠れていた。痛みで叫びすぎたせいだ。産まれたばかりの子どもたちの小さな手を、指でそっと撫でる。
皇帝は、出産には立ち会わなかった。彼は忙しいのだから、仕方がない。サナは何度も心の中で呟いた。
