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 アレクサンドロがサナの首筋を獣らしく、甘噛みする。くすぐったくて、少しだけ痛い。

「あぁ……」

 大きな手でサナの胸を鷲掴みにする。胸を愛撫しながら、唇を重ね、舌を絡ませる。サナもアレクサンドロの陽根に触れた。それはすでに十分な大きさと堅さになっていた。軽く握ってしごくと、アレクサンドロの息が荒くなっていく。

「もう、挿れてもいい?」

「うん、早く欲しい」

 サナは木の幹に手をつくと、お尻をアレクサンドロに向けた。

「昔ながらの体位はそそるな」

「早く」

「急かすなよ……」

 蜜壺の入り口に、熱い肉棒があてがわれ、ゆっくりと中に入っていく。

「はあ……」

 自身をすべてサナの内に収めると、アレクサンドロはゆっくりと動き始めた。彼が動くたびに、肉と肉がはじける音と卑猥な水音が立つ。

「ぁあっ、ああ……あ……」

 アレクサンドロは両手でサナの腰をしっかりと持つと、より強く腰を打ち付けた。

「っあ!?」

 サナは肩を震わせながら、突然の衝撃に耐える。その様子を満足そうに見下ろすアレクサンドロは、動きをどんどん早くしていく。サナの肉の壁が、アレクサンドロの肉棒を何度も何度も抱きしめるように締め付けるせいで、彼の限界も近づいていた。二人の荒い呼吸は、正しく獣のそれだった。

「あ、あっ、アレク……」

 名前を呼ばれた瞬間、彼はサナの中に、たっぷりと熱い液体を注ぎ込んだのだった。

* * *

 衣服を整え屋敷に戻ると、サナの身体を労って、アレクサンドロは彼女を自分のベットに寝かせた。

「大丈夫か?」

「うん」

 彼はサナに布団をそっとかけてやると、ベットサイドの椅子に腰掛けた。

「考えたんだけど、こんな国、二人で出ないか?」

「ファーロウ家は、どうなるの?」

「セオドリクがうまいことやるだろ。この国を二人で出て、今日みたいに森でこそこそするんじゃなくて、もっと堂々とさ……」

「うーん、良いかもしれないけど……」

 そんな場所、一体どこにあるんだろう。種族の違うもの同士が仲良く暮らしている国など聞いたことが無い。アレクサンドロがそれを知らないはずも無い。彼はファーロウ家を弟に押しつけるつもりで居るようだが、それをセオドリクは許すだろうか。ペットのヒトに唆された長男を、ファーロウ家が放っておいてくれるとも思えなかった。

* * *

 翌日、アレクサンドロが興奮した様子で新聞を持って駆け寄ってきた。

「見てみろ、これ!」

 渡された新聞を読んでみると、国が「獣人とヒトとの結婚を認めた」とあった。ヒトに特別な感情を抱くものは前から少なからず居たようで、今回の決定に好意的なコメントが多く寄せられているようだ。

「国も、思い切ったことするんだね」

「ここ」

 アレクサンドロが指を指したところを見ると、国王が第5夫人としてヒトを迎え入れるとあった。

「でも、これで……私たち」

「そうだな。国を出る必要がなくなったな」

 アレクサンドロは新聞を何度も読み返しながら、「そうだ、権力さえあれば、好きなようにできるんだな」と呟いた。その言葉に、サナは少しだけ不安になったが、すぐに考えるのを辞め、アレクサンドロをぎゅっと抱きしめるのだった。
END